ウィーンの街・食文化・徒然なるままに…

オーストリアの食文化を日本に正しく紹介し、より良い食文化交流行うことを目的として、営利を目的とせず、オーストリアの食文化を愛し、日本に正しく紹介してその普及に務める団体として活動していくマガジンです。

【価格】無料【発行周期】週間【形式】PC/テキスト形式

サンプル誌

☆☆☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆☆☆
              
                                           食文化・徒然なるままに

☆☆☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆☆☆
★「食に関した何でも雑学」
食べるものだけでなく、マナーやしきたり、テーブルウェアーや食にまつわる
話など。食材そのものよりも、もしかしたら?関わっているかもしれない事柄
などを紹介します。
中にはちょっと違うんではないの?これがどうして食に関わっているの?
と、疑問に思う事柄も出てくるかもしれませんが、もしかしたら巡り巡って関
係しているのかもしれない事柄も発表していきます。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽
【第1回=乾杯の由来】
 
今回は第1回という事で、以前に紹介した事柄ですが改めて紹介します。
乾杯には二つの由来があります。なぜ乾杯という行為があるのか。
日本語の乾杯はいつから始まったのか。
 
まずは、乾杯という酒杯をぶつけ合う行為からお話しします。
アレキサンダー大王やツタンカーメン、アンリ王などが毒殺・暗殺されたこと
で有名ですが、ワインの中に毒を入れれば簡単に人を殺すことができ、自分が
その組織の長になれる手っ取り早い下剋上です。
紀元前から人類は戦争の歴史でもあり、一つのコロニーを形成して指導者が群
れを率いていました。人口が増え、食糧が乏しくなれば他の部族を襲って領土
を拡大していくわけですが、上に立つものはそれだけの権力と財産を所有して
いる訳です。人間には欲がありますから、少しでも良い暮らしがしたいため必
死に昇詰めるわけですが、腕力が無いものはなかなか思うようにいきません。
そこで一番手っ取り早い方法が暗殺・毒殺をして下克上を成功させることです。
昔の杯は角杯とか鉄器でできた入れ物が多かったので相手の杯を思い切りぶつ
けて中に入っているワインがお互いに混ざり合うことによりこのワインには毒
が入っていないということをお互い確認しあったのです。その後、乾杯の習慣
が中世ヨーロッパに伝わると相手の酒杯とぶつけることで相手の酒杯にワイン
が混じり合うことによって毒が入っていないことを確認する行為だけに変化し
たという。現在の乾杯とはまったく違った意味を持っていたのです。現代では
ガラスの酒杯が一般的になり高価なグラスほど割れやすいので乾杯は相手の目
を見て酒杯を掲げるようになってきたのです。もちろん現代でも酒席で通常の
グラスをぶつけ合っての乾杯はマナー違反ではありませんがほどほどの力加減
でなさってください。
この杯をぶつけ合う行為の意味にはもう一つあり、昔は酒(ワイン)には悪魔
が潜んでいると考えられたらしく、つまり飲み過ぎると二日酔いで頭が痛くな
る事を知らなかった昔に人は、神から授かった酒で頭が痛くなるというのはこ
れは悪魔の仕業だ、ということで飲む前に酒杯をぶつけることで悪魔がびっく
りして去るという事で、悪魔祓いとして酒杯を思い切りぶつけあっていました。
杯をぶつけ合うイコール毒殺だけとは限りません。この乾杯=毒殺という行為
は紀元前6世紀ごろのギリシャから始まったとされ、杯をぶつけ合う行為とも
う一つ、そこの主人がこのワインには毒が入っていませんよという意味から主
人が先にワインを飲み、次に客が飲んでいくという習慣も生まれました。
このように順番に飲み、客が主人の後に飲むのが、友情と親交の誓いのような
ものを象徴するようになったのです。家の主と客が乾杯し、同時に飲み干すこ
とで、客にすすめる酒に毒が入っていないことを証明するようにもなっていっ
たのです。
時代は下り、ローマ人は、ギリシャ人の毒殺好きと友情の誓いとしての飲酒の
習慣を取り入れたのです。また焼いた一片のトースト(焼いたパン)を一杯の
ワインの中に落とすというギリシャ人の習慣もありました。今でもイギリスで
使われている乾杯の際に使われる「toast」(トースト)という言葉です。
これにはどういった意味があるのかは、当時のワイン事情によるものです。現
在と違い昔のワイン作りは勘と経験の上に出来上がったもので毎回同じワイン
を作ることは難しいということは創造できることです。ワインは空気に触れる
と酸化してしまうことはよく知られていることですがエジプトの壁画を見ても
分かるように昔はカメ(アンフォラ)に入れて保存し、ふたは空気に触れない
ように木栓に松脂で封をしたり、常に使用する時は松脂だと不便なので木栓に
布を巻きオリーブオイルを染み込ませでふたをしたようです。3世紀ごろから
ローマ人は樽を使い始めたようでワインやオリーブオイルなどの液体の保存、
輸送に使用され始めたがガリア(フランス)ではさらに数世紀前から作ってい
たようだ。フランスのワイン大国はこの頃からあったようです。
ワインにコルクが使用されはじめたのは17世紀ごろからでそれまではワインは
樽などで保存されていました。
ワイン容器の歴史はともかく昔のワインは長期保存には向かず、早く消費しな
いと酸敗してくることです。酸敗しても少ない食べ物を大事にする習慣は簡単
に捨てるわけにもいかずハチミツや月桂樹、サフランやコショウ、デーツなど
を入れて沸騰させたものを飲んだり、酔って政敵に討たれないために海水で割
って飲んだりしていたようです。その中の一つに焼いて焦がしたパンをワイン
の中に入れることにより質の落ちたワインや酸味のあるワインをまろやかにし、
味がよくなったことを当時の人たちは知っていたようで、この習慣はシェーク
スピアの時代まで続いたようです。シェークスピアの「ウィンザーの陽気な女
房たち」の中で、フォルスタッフはワインを一瓶注文し、「トーストを入れて
くれ」と頼む。という一説が残っています。この方法は科学的に証明されてい
ますが、今ではワインの中にトーストを入れて飲む人はいません。イギリスに
は、「乾杯」の言い方に、「toast」という言葉として残っているわけです。
そしてもう一つの日本人が初めて乾杯という言葉を使ったのがそんなには古い
ことではなかったのです。
日本語で言う乾杯という儀式の起源はかなり古いように思われますが、日本酒
自体はかなり古く、古代に神や死者のために神酒を飲んだ宗教的儀式が起源ら
しく、転じてやがて人々の健康や成功を祝福する儀礼に変化していったようで
すが、酒杯をぶつけ合うというよりも注いでもらった酒を頭より高く持ち上げ
て神様に礼をする仕草はありましたが、「乾杯」とは言っておりません。
これは安政元年(1854年)にイギリスとの間に「日英和親条約」が協定された
際、イギリスの全権大使エルギン伯と日本の下田奉行井上信濃守清直が会議終
了後の晩餐会でエルギン伯がイギリスでは国王の健康を祝して「Cheers!」と
いい、杯をあげたのですが日本には酒席の場で発する言葉がまだなかったため、
とっさに井上信濃守清直が中国の「乾杯」(カンペイ)という言葉を思い出し
「乾杯」(かんぱい)と出た言葉だそうで、以来日本では杯を傾ける言葉とな
ったのです。
つまりそれ以前にはなかった言葉ですから、時代劇でお酒を飲むシーンがあっ
て「乾杯」と言ったらこれは嘘になります。
 
☆━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━☆
 ■ 発行者:Aida  servus@jcom.zaq.ne.jp
    ■ このメールマガジンの無断転載禁止。
 ■ ツイッター:https://twitter.com/#!/servusaki
 ■ フェースブックを始めました「日本オーストリア食文化協会」で検索
   ■ いつでも登録/解除可能です。こちらから入ってください
   ■ URL:<http://wien1020.web.fc2.com/magazine1.html
    Servus AKIの『食卓のフォークロア』も発行しています。
   ■ URL:<http://wien1020.web.fc2.com/magazine2.html
☆━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━☆

ウイーンの街・食文化・徒然なるままに・・・・

登録方法

二誌から発行しています、ご希望のメールマガジンをお選び下さい、無料です。

まぐまぐ

メルマ melma

登録する方は「まぐまぐ」「メルマ」どちらでも内容は同じですのでお好きは方でどうぞ。
自分のアドレスを登録すると再度登録を確認するメールが来ますのでクリックすれば無料でご覧頂けます。

メールマガジンをもう一誌発行しています、こちらもご覧下さい。こちらも無料です。

簡単登録できます

メールアドレスと書かれている文字を消して、貴方のメールアドレスを記入し登録ボタンを押して下さい

inserted by FC2 system